研究概要 |
本研究の目的は生物全般に分布するα-グルコシダーゼ酵素群の基質特異性の分子進化を明らかとすることである。小胞体内でα-1, 3-グルコシドを加水分解する役割をもつ酵素が、α-1, 4結合にも作用することを明らかとした。植物種子に局在するα-グルコシダーゼでは活性中心の外側を覆うループ構造が特異性に関与していた。酵母α-グルコシダーゼ活性ポケットのTrp残基が基質特異性に関与していた。α-1, 3結合に特異性を示す細菌由来の新しい.-グルコシダーゼを発見した。本研究の結果から対象とした類縁酵素群は元来α-1, 3結合に特異性を示す同一祖先が分子進化により様々な特異性を獲得していることが示唆された。また類縁酵素内には新規機能を持つタンパク質がまだまだ埋もれていることが示唆された。
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