研究課題
若手研究(B)
インフルエンザウイルスの感染および接着に関与する特定のシアロ糖鎖構造を合成可能な糖転移酵素発現技術を、カイコ幼虫を利用したバクミドシステムにより達成した。これにより、トリ型およびヒト型インフルエンザウイルスヘマグルチニンが感染の際に認識する構造複雑な糖鎖構造の実践的かつ定量的な合成が可能となった。さらに、これら糖鎖を種々の骨格基盤(天然ポリペプチド・多糖ポリマー・金属キレート分子など‥)に導入することで糖鎖クラスター効果に基づくインフルエンザウイルスブロッカーを構築した。これら各種インフルエンザウイルスブロッカーを用いたインフルエンザウイルス感染阻害試験および赤血球凝集阻害試験の結果より、トリ型およびヒト型インフルエンザウイルスの糖鎖認識特異性は末端シアル酸残基の結合様式において異なるだけでなく、内部糖鎖構造もその活性に大きく関与していることを示した。さらには、インフルエンザウイルスを標的とした糖鎖クラスター材料の創製および設計における骨格基盤やクラスター数・スペーサー構造などの重要性も実証した。
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