研究課題
若手研究(B)
神経成長因子 (Nerve growth factor, NGF) などの神経栄養因子は、中枢神経および末梢神経系における神経細胞の成長、分化、生存、機能維持などに関与する重要な因子として知られている。また、神経栄養因子は、神経変性疾患や虚血などのストレス状態における細胞死を軽減する作用も有している。本研究では、神経細胞の分化を促進する食品成分として、レスベラトロールを同定した。PC12 細胞にレスベラトロールを低濃度の NGF とともに投与すると、神経突起の伸長および分化マーカーであるニューロフィラメントの発現上昇が認められた。またその分化誘導には、p38MAP キナーゼが関与している可能性が示唆された。一方で、神経細胞の分化を促進するアラキドン酸代謝産物として、15-deoxy-△12,14-prostaglandin J2 (15d-PGJ2)を同定し、その作用機構解析を行った。その結果、15d-PGJ2 は細胞外からのカルシウムイオン流入を介して神経分化を促進していることが明らかとなった。
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