研究課題
若手研究(B)
(1)腫瘍発生機構の初期段階におけるRESTの役割を解析するために、その活性化指標としてβIII-tubulinの発現を用いた。βIII-tubulinは通常は神経細胞特異的であるが、非神経系細胞においても細胞周期依存的に発現の増減が見られることを見出した。細胞周期を同調した細胞を用いた解析の結果、mRNAレベルではG2/M期にβIII-tubulinのmRNAの蓄積が見られること、クロマチンレベルでの機構であることが明らかとなった。細胞周期依存的にβIII-tubulinプロモーター領域にRESTがスイッチングすることで制御している可能性が示唆された。(2) Nucleus accumbens associated 1, NACC-1はBEN/POZドメインを持つ脳神経特異的転写抑制因子の一種であり、幾つかの腫瘍での高発現が予後の不良と関連することが示されている。しかし腫瘍形質における詳細な機構は不明である。一方、HDAC6は細胞質に存在し、チューブリンの脱アセチル化に関与する因子であり腫瘍の転移能と関連する。NACC-1はHDAC6の機能調節を介して細胞運動能、浸潤能に関与することを示した。(3) microRNAは50nt以下の短い安定な非翻訳RNAの一種であり、生体中には数千種類もの分子種ある。その多くは、標的mRNAの3' UTR部位に特異的に相補結合し翻訳抑制する。microRNA-211が神経堤細胞腫瘍において減少していること、microRNA-211の標的としてPRAME(Preferentially expressed antigen of melanoma)の可能性があることを示した。以上の機構の破綻が、脳腫瘍を初めとした各種腫瘍のイニシエーターになっている可能性が示唆された。
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