研究課題/領域番号 |
22790374
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕之 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70375509)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 扁平上皮がん / THG-1 / EGF / Tsc-22 / がん遺伝子 / 重層扁平上皮 / がん / Ras / MAPK |
研究概要 |
我々はTsc-22ファミリータンパク質の一つであるTHG-1(Tsc22D4)の機能を解析する過程で、THG-1が皮膚、食道などの重層扁平上皮の基底細胞に特異的に発現することを見出した。基底細胞には幹細胞が存在しがん化と密接に関わっていることから、食道、肺がんの組織アレイを用いて、THG-1の発現について検討したところ、食道、肺の扁平上皮がんにTHG-1が高発現することを見出した。そこで皮膚角化細胞株にTHG-1を発現させたところ、EGFによる細胞形態の変化、及び増殖、運動性が亢進することが認められた。さらにコラーゲンゲル上で表皮構造を構築させたところ、THG-1発現細胞では有棘層や顆粒層への分化が抑制されることを見出した。また食道がん細胞株においてTHG-1遺伝子の塩基配列を検討したところ、一部の食道がん細胞株においてアミノ酸置換を伴う変異が存在することが明らかになった。さらにその変異体は、EGFによる増殖促進能が正常型に比べて亢進することを見出した。以上よりTHG-1は、扁平上皮がんの新規がん遺伝子として機能することが示唆された。今後もTHG-1の重層扁平上皮の増殖、分化、がん化における役割を明らかにし、さらに新規がんの診断法の開発、及びTHG-1が制御する経路を標的にした新規治療法の開発に結びつけていきたいと考えている。
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