研究課題/領域番号 |
22790400
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
|
研究機関 | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
安田 加奈子 (駒木 加奈子) 独立行政法人国立国際医療研究センター (50415551)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2011年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2010年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | マラリア / 転写 / 転写因子 / 細胞周期 / 転写制御 / 転写調節因子 |
研究概要 |
マラリア原虫ゲノム上には遺伝子転写調節領域(cis-element)に結合する「転写調節因子」の既知のホモログが殆ど存在せず、転写制御機構の理解が進んでいない。われわれはこれまでの研究において、原虫に独自な転写調節因子を同定することを目指し、熱帯熱マラリア原虫ρ群遺伝子のcis-elementに特異的に結合するDNA結合因子の単離同定を試み、質量解析によって約20種類の候補タンパクを同定していた。本研究ではこれらのうち、特に質量解析でペプチドの検出数が多かったタンパク4種類にFLAGタグを付加し、その遺伝子をマラリア原虫に過剰発現させた。この過剰発現原虫より、抗FLAG抗体ビーズを用いて発現タンパクを精製し、pfl-cys-prx遺伝子のcis-elementに対する結合活性をゲルシフトアッセイによって確認した結果、候補のひとつにc13-elementの配列に特異的な結合活性が認められた。このタンパクを以下prx regulatory element binding protein : PREBPとする。PREBPに対する特異的ペプチド抗体を作製し、原虫核抽出物とd5-element配列を用いたゲルシフトアッセイの反応液中に加えたところ、cis-element・因子・抗体の複合体に由来するスーパーシフトバンドが形成され、目的の因子が確実に同定されたことが示された。PREBPのデータベース上のORFから予測される分子量は130 kDa、Massではその中央部分の約60 kDaに相当する部分のペプチドが検出されており、この部分が核内で作用すると考えられた。PREBPの中央部分の60 kDaのみを過剰発現させた原虫ではpfl-cys-prxの発現量に影響が見られず、130kDaのORFにコードされるタンパクのN末とC末は中央部が正しく機能する為に必要な領域である可能性が示唆された。また、PREBPは無細胞合成系による組換え体ではcis-elementへの結合活性を示さなかったが、原虫細胞自身を用いた組換え体では結合活性を示したことから、原虫細胞内で特異的な修飾を受けることによって結合活性を得ることが予測された。
|