研究課題/領域番号 |
22790526
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
楳田 祐三 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (10573735)
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研究協力者 |
永坂 岳司 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (30452569)
八木 孝仁 岡山大学, 岡山大学病院, 教授 (00304353)
貞森 裕 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30362974)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2012年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 生体肝移植 / 肝再生 / 過小グラフト / small-for-size 症候群 / Small-for-size syndrome / small-for-size syndrome / 肝機能 |
研究概要 |
【目的】生体肝移植における移植肝機能不良、特に過小グラフトに起因する過小 Graft 症候群の病態メカニズムを解析し、臨床応用可能な機能予後予測モデルの確立を目指した. 【方法】平成 24 年末までに累計 262 症例の生体肝移植を施行し、臨床病理学的に解析を行った. 【結果】多変量解析での短期予後不良因子は Recipient 重症度、過小 Graft、Donor 高年齢であった. しかし現実には各因子の連続変数については症例間で Cut-Off の乖離があり、そのことが治療法個別化への課題であった. Decision-tree analysis を踏まえたリスクモデルで、Recipient 重症度に応じた適性 Donor 年齢、Graft 容積の Cut-off 算出、ならびにPortal modulation 適応の選別が可能となり、 移植予後の層別化が可能であった. 適正なPortal modulation 介入により Graft 体重比の下限は 0.65%まで見込めた. 更に脾動脈塞栓によるPortal modulation によって、グラフト再生に相関する Graft 機能回復傾向を認めた. GSA 核医学検査・CT volumetry による定量的肝機能評価とリンクした臨床検体解析において、過小 Graft症候群における Graft 障害機序は、portal inflow compliance の破綻に起因する微小循環障害と虚血再灌流障害による Graft 機能低下と肝再生シグナル停滞に起因する肝再生障害と規定された. 移植肝再生シグナルの評価では、高齢 Donor における移植肝 STAT3/AKT シグナルの発現低下を認め、また肝再生因子については、従来の HGF に加え、血清 leptin に肝再生と正相関を認めた他、Thrombopoietin, G-CSF, Follistatin といった種々の増殖因子の関与が示された. このことより脾動脈塞栓における Portal modulation は、直接的減圧のみならず脾臓由来の肝再生因子に介入することで Graft 保護作用に寄与している可能性も示唆された. 【結語】患者重症度、術前状態に応じた至適 Donor/Graft の選別、Portal modulation 介入といった症例個々の治療戦略の策定が、移植予後向上への要諦である.
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