研究概要 |
本研究では,小児のための非接触型睡眠診断法の開発の確立とその臨床応用を目指してきた.センサ類から計測対象を全く切り離した完全な無拘束・非接触計測である,ビデオ計測による動画像処理から体動を検出し,体動の情報のみから小児の睡眠深度を推定する手法を開発した.定型発達児に対し, PSG検査と動画像による体動計測を行い,計測した体動により,"REM睡眠と軽い睡眠","深い睡眠","覚醒"を判別する判別式を確立した.この判別式を用いて計算される睡眠段階とPSGにより判定される睡眠段階の一致率を各睡眠段階において計算し,一致率は70%以上を達成した.次に, ADHD児の睡眠時の体動に特化した睡眠深度を推定する判別式を確立することを当初の目的としていた.しかし,これらの発達障害児では睡眠時の体動様式が定型発達児と著しく異なり,睡眠深度の推定式を確立することは困難であった.そこで,新しく発見した発達障害児,特にADHD児の夜間体動特徴から,就寝中の体動のみから発達障害児を診断する手法を開発した.
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