研究課題/領域番号 |
22790652
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清水 祐紀子 (野田 祐紀子) 九州大学, 大学病院, 助教 (10404021)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2011年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2010年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 胆道学 / 膵臓学 / 膵癌 / 間質細胞 |
研究概要 |
我々は、特発性肺線維症治療薬であるピルフェニドンが、膵癌におけるdesmoplasiaを抑制する効果を持つことが示唆されることを世界で初めて示した。膵癌の癌間質相互作用の中心を担うヒト膵星細胞を膵癌手術組織標本より樹立し、ピルフェニドンが濃度依存性にヒト膵星細胞の増殖能、遊走能、浸潤能を有意の抑制することを明らかとした。ピルフェニドンは癌間質相互作用の影響下にあっても、ヒト膵星細胞の増殖、浸潤能を抑制できた。その機序として、ピルフェニドンがヒト膵星細胞におけるPDGFA、HGF、ペリオスチン、コラーゲンI、フィブロネクチンの蛋白産生を抑制していることを明らかとした。ヒト膵癌皮下移植マウスモデルではピルフェニドン投与群で有意に腫瘍形成が抑制され、組織学的にもコラーゲンI、ペリオスチン、α-SMA陽性細胞数が抑制されていた。ピルフェニドンとジェムザールの併用療法はマウスモデルでの腫瘍形成をそれぞれの単独群に比較して著名に抑制した。以上の研究成果より、ピルフェニドンが膵癌の癌間質相互作用の中心を担うヒト膵星細胞を標的とした新しい膵癌治療薬となりうる可能性が示唆された。
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