研究課題
若手研究(B)
細胞内カルシウム濃度の上昇は細胞内シグナル伝達の柱の一つである。小胞体からのカルシウム放出により惹起される細胞外からのカルシウム流入はStore-Operated Calcium entry(以下、SOCE)と呼ばれるが生理的・病理的な意義は未解明の部分が多い。STIM1蛋白質は小胞体内のカルシウム濃度を感知し、SOCEを開始させる。マウスモデルにおける免疫組織染色において、大動脈プラーク周囲にSTIM1蛋白質の染色性を認める細胞が浸潤していることが観察された。プラークと正常血管との境界領域においてSTIM1蛋白質が強く発現していること、STIM1蛋白質で染色される細胞は免疫組織染色での染色性や局在からからマクロファージと考えられた。STIM1蛋白質はマクロファージを介して動脈硬化の進展もしくは抑制し、単球からM1/M2マクロファージに分化へ関与しているとの仮説を立てた。単球系継代細胞や単球初代培養細胞におけるSTIM1のノックダウンが、M1/M2の構成比率に与える影響について現在検索中である。