研究課題
若手研究(B)
末梢肺の分化に関与するTTF-1遺伝子は、リネジ特異的マスター調節因子として細胞分化に寄与する一方で、その発現持続が肺腺癌の生存に必須であり発癌と進展に大きく関与する。我々は、TTF-1遺伝子により特異的に調節される遺伝子DOT-2を同定した。DOT-2はROCK1の機能調節を介してアクチンストレスファイバーの形成を阻害し、癌細胞の運動能・転移能を抑制することを明らかにした。また、このように肺腺癌の進展にとって不利に働くと考えられるDOT-2の発現は、そのプロモーター領域のDNAメチル化によって抑制されていることが明らかとなった。今回の研究により、TTF-1の発現が肺腺癌の生存に必須であるにも関わらず、なぜTTF-1を発現している肺腺癌は臨床的予後が良いのかという疑問に対して、DOT-2というこれまで殆ど機能不明であった分子が、その原因の一端を担っている可能性が強く示唆された。
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The EMBO Journal
巻: 31 ページ: 481-193
Cancer Cell
巻: (in press)
EMBO Journal
巻: 31 号: 2 ページ: 481-493
10.1038/emboj.2011.416
巻: (印刷中)(in press)
http://www.med.nagoya-u.ac.jp/molcar/jp/