研究課題/領域番号 |
22790880
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高安 忍 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (80466507)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2011年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2010年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | QRFP / GPR103 / H-P-A axis / CRH / ACTH |
研究概要 |
G蛋白共役型受容体GPR103は視床下部を含めた脳の広い範囲に発現し、その内因性ペプチドリガンドQRFPは視床下部、特に室傍核と外側野にGPR103と互いに異なる局在を示して発現して摂食亢進を含む体内代謝調節に関与し、下流として覚醒やストレスなどに関与するような他の経路を利用していることが示唆されている。 この研究の目的は、QRFPの視床下部-下垂体-副腎系(H-P-A axis)への関与とメカニズムを明らかにし、新たなストレス反応の一面を見出して、関連疾患の病態解明へと導くことにある。 培養細胞株におけるH-P-A関連遺伝子誘導の解析を行った。RT-PCRによって視床下部4B細胞においてQRFPとGPR103サブタイプAのmRNAの発現を、またマウス副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生下垂体腫瘍細胞株AtT-20においてGPR103サブタイプB mRNAの発現を確認した。コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)プロモーターをホタルルシフェラーゼ遺伝子に結合させたレポーター遺伝子を一過性に4B細胞へ発現させQRFPを添加したところ、その転写活性の増強が確認された。さらに4B細胞へQRFPを添加し、定量RT-PCRによってCRH mRNA発現の変化を評価したところ、時間関連性にCRH遺伝子発現の増加が確認された。またプロピオメラノコルチン(POMC)プロモーターをルシフェラーゼに結合させたレポーターを一過性にまた恒常的に発現させたAtT-20に同様にQRFPを添加したところ、その転写活性の増強が確認された。 以上からQRFPが直接下垂体ACTH産生細胞に、あるいは視床下部CRH産生を介して間接的にACTH産生を促進することでストレス反応の一端を担っている可能性が示された。QRFP-GPR103システムがH-P-A axisへ介入するという新たなメカニズムの存在を示唆する知見と考えられる。
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