研究概要 |
メラノーマ細胞のケモカイン受容体を網羅的に調べたところ,進行が早い例において腫瘍細胞にCCR5が強く発現していることが分かった。そのため,腫瘍細胞にCCR5のリガンドであるCCL3, 5の添加をし,細胞内サイトカイン染色にて確認したところTGF-βやIL-10などの抑制性分子の産生が増強した。かつ腫瘍細胞そのものがCCL5を産生していることを見いだした。かつCCL5の添加により腫瘍細胞の増殖能が亢進することも確認できた。以上の結果より,メラノーマ細胞にCCR5が発現することは,そのリガンドにより増殖能を亢進させるのみならず,抑制性分子の発現を促し,さらにautocrine的に産生してその作用を増強することで腫瘍の進展に寄与する可能性を見いだすことができた。
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