研究概要 |
幻視は自発的な現象であるため,検査・実験場面で検出するのが困難だった.幻視を誘発し,定量することができれば,心理物理学的研究,神経画像研究,薬物介入研究などが可能になる.われわれは先行研究で幻視を誘発し定量する課題を開発し,パーキンソン病(PD),レビー小体型認知症(DLB)患者に適用した.本研究では,先行研究で開発した課題の欠点(検査時間が長い,採点が煩雑)を改善した新しい幻視誘発課題を作成した.本課題における幻視反応数はDLB患者の幻視の重症度と高い相関を示し,アセチルコリン賦活薬の投与によって著名に減少した.この結果は,幻視の発現にアセチルコリン系の異常が関与していることを示唆している.
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