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前頭側頭葉変性症における抽象的態度の障害の神経基盤の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22791131
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 精神神経科学
研究機関熊本大学

研究代表者

小川 雄右  熊本大学, 医学部附属病院, その他 (50535573)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
研究課題ステータス 採択後辞退 (2012年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2012年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2011年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード抽象的態度 / 前頭側頭葉変性症 / 神経基盤 / 神経科学 / 神経心理学
研究概要

抽象的態度とは「ある刺激の持つ一般的、抽象的属性を洞察する能力」であり、抽象的態度が障害されると、自身を客観的にみることができなくなると予想される。そこで今年度は、前頭側頭型認知症(FTD)、意味性認知症(SD)それぞれにおいて、自身の症状に対する認識と抑うつとの関係を検討した。当院通院中のFTD15例、SD17例に対して、GDS、Neuropsychiatric Inventory (NPI)を用いてうつ、アパシーの頻度・重症度を調べ、さらに自身の症状に関わる機能低下の訴えがある場合を病感ありとして、うつ、アパシー、病感の関係を分析した。結果は、GDSによるうつの重症度はSDがFTDに比べ有意に高かった。アパシーの重症度は、FTDがSDに比べ有意に高く、FTDにおけるアパシーの有症率は93.3%と高率だった。病感については、FTDでは、病感を有する患者は1例もなかったのに対して、SDでは約2/3の患者が病感を有していた。SDにおいて、病感を有する患者では病感のない患者と比較し、GDS得点が有意に高かった。これらの結果は、SDでは自身の能力低下を自覚しているために、反応性にうつを呈すると考えられた。さらに、FTDはSDよりも自身を客観的にみる能力、すなわち抽象的態度がより強く障害されており、FTDの主たる萎縮部位である前頭葉が抽象的態度に関わっている可能性が示された。
また昨年度から引き続き、抽象的態度評価課題として作成した「概念化課題」、「概数検討課題」、「状況想定課題」、及び常同行動の評価尺度であるSRIをFTLDに対して実施し、FTLDでは抽象的態度が障害されていること、抽象的態度の障害が認知の側面のみならず意思決定にも影響し、その結果常同行動のようなFTLDに特徴的とされる行動障害が引き起こされていることを示し、論文にて報告した。

報告書

(2件)
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 前頭側頭葉変性症の臨床行動心理学-抽象的態度の障害との関連-2011

    • 著者名/発表者名
      橋本衛、小川雄右、池田学
    • 雑誌名

      高次脳機能研究(旧失語症研究)

      巻: 31 ページ: 269-276

    • NAID

      10031128159

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] 前頭側頭葉変性症におけるうつの検討2011

    • 著者名/発表者名
      小川雄右、橋本衛、矢田部裕介, ら
    • 学会等名
      第107回日本精神神経学会学術総会
    • 発表場所
      ホテル・グラン・パシフィック・レ・ダイバ(東京都)
    • 年月日
      2011-10-26
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] 前頭側頭葉変性症(FTLD)の臨床行動神経学2010

    • 著者名/発表者名
      橋本衛、小川雄右、池田学
    • 学会等名
      第34回 日本高次脳機能障害学会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ(埼玉県)
    • 年月日
      2010-11-19
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

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公開日: 2010-08-23   更新日: 2019-07-29  

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