生体部分肝移植において大きな問題となっているうっ血を伴ったグラフトの再生を検討するために、ラット間での生体部分肝移植モデルの確立から開始した。今までにラット間での全肝移植モデルは報告されているが、生体部分肝移植の報告は検索し得ずモデルの作成に難渋した。われわれの検討ではラットの60%肝切除でうっ血を伴う40%の残肝でも、G-CSF投与により有意に再生が促進されることが確認されていたので、まずは40%肝グラフトの移植を目指した。しかし40%グラフトの移植では生存が得られなかった。そのため全肝の移植からモデルの作成を開始して、その後に一部にうっ血を伴う全肝グラフトの移植を検討することとした。全肝の移植モデルは従来の報告通りに作成できて、全肝にうっ血を伴うグラフトでのラットの肝移植を継続している。
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