研究課題/領域番号 |
22791286
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岩橋 衆一 徳島大学, 大学病院, その他 (30531751)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2011年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2010年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 胆管癌 / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / バルプロ酸 / マイクロアレイ解析 / Ingenuity Pathways Analysis / 癌幹細胞 |
研究概要 |
〔研究の目的〕胆管癌において抗癌剤にHDAC(histone deacetylase)阻害剤を併用した際の抗癌剤感受性増強について研究し、さらにそのメカニズムを解明する。また胆管癌における癌幹細胞に対して抗癌剤とHDAC阻害剤を併用した際の癌幹細胞分化誘導効果を研究し、さらにその機序を解明する。 〔研究実施計画〕 平成22年度 :HDAC阻害剤+抗癌剤での抗腫瘍効果増強さらにそのメカニズムについて検討する。 平成23年度以降 :HDAC阻害剤+抗癌剤での胆管癌における癌幹細胞分化誘導に関する検討を行う。 HDAC阻害剤としてはclassI,IIaのHDACを阻害するValproic acid(VPA)を使用する。 〔研究実績と展開〕 1.細飽増殖抑個効果の研究:ヒト胆管癌細胞(HuCCT1)を用いて検討。Gemcitabine(Gem)5nMにVPA 0.5mMを併用すると、単独に比べて増殖抑制効果の増強を認めた。また5-fluorouracil(5-FU)においても、5-FU 1.0μMにVPA 0.5mMを併用すると、単独に比べ増殖抑制効果の増強を認めた。 2.細胞増殖抑例効果増強のメカニズムに関する研究:定量的PCRにて細胞増殖抑制効果増強のメカニズムを検討した。Gem 5nMとVPA 0.5mMの併用では、単独投与に比べ、有意にP21の発現の増強を認めた。 3.Microarrayによるメカニズムの研究:系統的なメカニズム解明を目的にMicroarrayを施行(28,869遺伝子)。Gem群とVPA+Gem群を比較してIngenuity Pathways Analysis(IPA)を施行すると、癌細胞分化に関与するHLA-DRを含むcellular developmentの遺伝子群でGene networkが形成され、HDAC阻害剤の癌細胞分化誘導作用が示唆された。 4.肝内胆管癌における癌幹細胞マーカー発現の研究:肝内胆管癌切除例を対象に癌幹細胞マーカーであるCD133、CD44の発現を免疫組織学的染色にて検討。CD133発現陽性群は陰性群と比較し、有意に予後不良であり、CD44発現に関しても同様に陽性群にて予後不良であった。また多変量解析にて、CD133発現、CD44発現が独立予後規定因子であった。 5.HDAC阻害剤+抗癌剤での癌幹細胞分化誘導に関する研究:当科においては、大腸癌細胞にてVPAがCD133/CD44double positiveの細胞群を抑制し、またsphereを制御することで癌分化誘導作用を有する可能性があるとの知見を得た。今後は胆管癌細胞においても癌細胞分化誘導に関する検討を行う予定である。
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