研究課題
若手研究(B)
私どもはヒト間葉系幹細胞株hMSC-TERT-E6/E7に転写因子SF-1を導入することで、ステロイドホルモン産生細胞へと分化誘導することに成功している。この分化誘導系を用いて、卵巣を含むステロイド産生細胞分化へのエピジェネティックな制御機構を解明するために、(1)生化学的な手法によって同定したSF-1複合体構成タンパク質の機能解析と(2) DNAマイクロアレイとChIP-on-Chip法を併用したゲノムワイドな解析よる新たなSF-1標的遺伝子の同定を行った。(1)により、SF-1複合体構成タンパク質の1つとして同定した転写因子C/EBPβは、SF-1と協調的にステロイド代謝酵素HSD3B2遺伝子の発現を調節していることを明らかにした。(2)により、新たなSF-1標的遺伝子としてグルタチオントランスフェラーゼA3(GSTA3)、5-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS1)およびフェレドキシンリダクターゼ(FDXR)を同定した。そしてこれら遺伝子が、SF-1によってエピジェネティックな変化を介して転写が活性化されること、さらにステロイド産生に機能的にも重要であることを明らかにした。
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