研究概要 |
歯科用レジン青色光は歯のレジン充填や漂白処置による歯の処置に用いられるようになってきている。しかし,歯髄や口腔粘膜に対する効果についてはこれまでほとんど考慮されてきていない。したがって,我々は,歯科用レジン重合用青色光が歯髄,とくに血管に対し影響を与えるかどうか検討を行った。我々は,青色光照射が,摘出ラット大動脈に脂質過酸化のレベルを増加させることを見出した。さらに,それは時間依存的に細胞活性を減少させ,ヒト血管平滑筋細胞のアポトーシスを誘導した。これらは,青色光照射により活性酸素種である,過酸化水素やヒドロキシルラジカルが細胞内に発生し,酸化ストレスを伴う脂質過酸化やアポトーシスなど細胞傷害性を増大させることを示唆した。加えて,代表的な抗酸化剤であるN-acetyl-L-cysteineがこれら細胞傷害性から細胞を防御した。
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