研究課題/領域番号 |
22792107
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会系歯学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
猪飼 紘代 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (20431588)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2011年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 低濃度過酸化水素 / ラジカル殺菌 / 可視光LED歯ブラシ / オーラルケア / ヒドロキシルラジカル / 可視光レーザー |
研究概要 |
本研究は、ラジカル殺菌技術をオーラルケアの分野に応用することを目的として行われた。原理として、過酸化水素を含む歯磨剤と、毛先から光が放出される歯ブラシを用いて効果的にヒドロキシルラジカルを局所で発生させ、歯面に付着したバイオフィルムの除去・殺菌を行うものである。本年度は、光ファイバーでブラシ部分を作成し、405nmのLEDでブラシ先端を光らせるタイプの歯ブラシを試作した。LEDは可能な限り高出力のものを使用したかったが、発熱の問題があり、初めに試作した歯ブラシの先端からの出力は約1.5mW程度であった。1.5mW程度では、過酸化水素濃度を最大の1Mにしても、明らかな殺菌効果は認められず、さらなる出力の向上が必須であった。次に試作した歯ブラシは先端からの出力を約22mWまで高めることができたが、この出力でも、10^7CFU/mlの菌を殺菌するのには十分な出力とは言えなかった。試作歯ブラシの製作にはその他にも、(1)ブラシの先端から光らせるためにブラシ部分を光ファイバーにせざるを得ないという問題、(2)歯ブラシの形状を考えるとそれほど多くのファイバーを搭載できないという問題、(3)405nmのLED光は、わずかに紫外光を含んでしまうという安全面での問題、があった。(3)については、UVカットフィルムを使用することで対応可能(type II試作機に搭載)であるが、(1),(2)については今後の検討課題である。S.mutansのバイオフォルムモデルを用いた殺菌試験で、従来から用いられている口腔内消毒薬との殺菌効果の比較を行ったところ、過酸化水素濃度が最大の1Mであれば、LED出力は50mW以下でも既存の口腔内消毒薬よりも高い殺菌効果を示すことが分かった。ただし、実際に口腔内で用いる場合は刷掃効果があること、同一か所に数分間光照射するわけではないこと、口腔内消毒薬と同程度の殺菌効果を目指しているわけではないことなどを考慮すると、in vivoでの判定が必須である。
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