研究概要 |
嗅覚障害は食欲低下の原因の一つであり,癌化学療法による嗅覚障害が癌患者の栄養状態に影響をおよぼしている可能性が考えらえる.そこで,本研究課題では,外来癌化学療法施行患者の嗅覚障害の実態調査および栄養状態との関連を解析した.外来化学療法施行患者の36%に嗅覚障害が生じていた.また,嗅覚障害を自覚していない癌患者は,その自覚がある癌患者と比較して, BMI,血中総タンパク質が有意に低下していた.本研究により,嗅覚障害は癌化学療法の副作用として注意すべき症状であり,化学療法施行患者の栄養状態に影響をおよぼすことが示唆された.
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