本研究は、統合失調症の母親をもつ子どもの体験を明らかにし、統合失調症の母親をもつ子どもへの看護支援として、心理教育プログラムの開発を試みることを目的とした。本研究はインタビューによる調査を行い、インタビュー内容をデータとして分析を行った。分析の結果、統合失調症の母親をもつ子どもの体験については、【いたたまれない恐怖の体験】【深い悲しみの体験】【どうしていいのかわからない困惑の体験】【病状の良し悪しの落差による混乱の体験】【母がこうなったのは自分のせいではないのかという罪悪感をもつ体験】【じぶんが何とかしなくてはならないという体験】【周囲に隠さなければならない体験】【誰にも相談できない体験】に分類された。また、これらの結果をもとに、統合失調症の母親をもつ子どもの心理教育プログラム開発の一つとして、リーフレットを作成した。リーフレットは統合失調症の母親をもつ子どもを対象にしたものと、支援を行う看護職を対象にしたものを作成した。
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