研究課題/領域番号 |
22800016
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
迫田 大輔 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, その他 (40588670)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,146千円 (直接経費: 2,420千円、間接経費: 726千円)
2011年度: 1,508千円 (直接経費: 1,160千円、間接経費: 348千円)
2010年度: 1,638千円 (直接経費: 1,260千円、間接経費: 378千円)
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キーワード | 体外補助循環 / 非侵襲生体光計測 / モンテカルロ・シミュレーション / 血液 |
研究概要 |
長期間安全で信頼性の高い体外補助循環を実現するために、光を用いた血液の非侵襲モニタリング技術は大いに貢献できると考えられるが、補助循環路を流れる血液の光学モデルは確立されていない。そこで、ECMO回路管内血液の光伝播をシミュレーションするpciMC (photon-cell interactive Monte Carlo simulation)を開発し、実際にpciMCを使用してヘマトクリットおよびヘモグロビンを非侵襲に定量することを試みた。in vitroにおいて模擬ECMO回路を構成し、新鮮豚血液を循環させた。He-Neレーザーを光源として用い、光ファイバで導き人工肺アウトフロー部のチューブに入射した。光軸上に設置した受光ファイバにて透過型計測を行い、光電子増倍管にて受光強度を求めた。その結果、ポンプ流量を上昇させていくと透過光強度が低下していくことがわかり、1L/min以上程度で一定となっていった。この実験結果を実際に再現できるpciMCモデルを開発した。pciMCは、従来のMCと異なり、光吸収散乱体である赤血球が実際にモデル内で定義されている。光子が赤血球に衝突したとき、幾何光学に基づいて赤血球表面上で光子のベクトルが変化して、赤血球内外を伝播していく。光の吸収は、光子が赤血球内を伝播しているとき、Beer-Loambertの法則に基づき、赤血球内光路長および赤血球内ヘモグロビン濃度にしたがって表現される。空間モデリングに関して、流量が生じると幾つかの赤血球が流線上に配向していくと仮定した。配向の定義は、赤血球の長軸が流れ方向と平行になり、流れ方向を軸とした回転自由度があるとした。全体の血球数に対する配向した赤血球の割合を「配向率」とし、各流量における実験値とシミュレーション値が一致するときの配向率を求めることで、ECMO回路管内の光伝播モデルを確立した。得られた光伝播モデルを用いて、ヘマトクリットおよびヘモグロビン値を光計測結果に基づき予想したところ、それぞれ0.97%および0.32g/dLの誤差精度で定量可能な結果が得られた。
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