研究課題/領域番号 |
22810005
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山田 豊和 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), その他 (10383548)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2011年度: 1,495千円 (直接経費: 1,150千円、間接経費: 345千円)
2010年度: 1,625千円 (直接経費: 1,250千円、間接経費: 375千円)
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キーワード | スピンエレクトロニクス / 走査トンネル顕微鏡(STM) / 鉄 / ナノ / 磁石 / 電界 / 表面 / スピン偏極STM |
研究概要 |
今日の情報社会を支えているのは、ナノスケールの微小な磁石である。我々の身の回りのパソコンをはじめ、情報の記憶・書き込み・読み込みは、磁石のN極S極の向きを利用している。磁石の向きを読み取るために、磁気ヘッドを使う。磁気ヘッドは、2つの小さな磁石の間に金属などの無機物は挟んだものである。ひとつの磁石の向きは常に固定であり、他方は検出する磁石の向きにより、その方向を変える。この2つの磁石の間に電流を流しておくと、2つの磁石の向きが平行な場合電流は多く流れ、反平行では減少する。この効果は巨大磁気抵抗(GMR)効果と呼ばれる。 これまで、磁気ヘッドは無機物で作られてきた。これに代わる新たな物質として有機物がある。我々は、インクなどの色素分子として広く普及・使用されてきているフタロシアニン分子を2つの小さな磁石の間にいれ、さらに単一分子を使用することで1ナノメートル(十億分の1メートル)の大きさのGMRヘッドを作成した。有機分子と磁石との電子スピン相関の解明を、スピン偏極走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて行った。 平成22年度は、コバルトナノ磁石の上につけた単一フタロシアニン分子(H2Pc)に、STM磁性探針(Co薄膜をコートしたW探針)を接触させ、この2つのコバルト磁石の向きが平行な場合と、反平行な場合の電子伝導測定を行ったところ、60%のGMR比を得た。有機分子の無い場合に比べて、1ケタ大きい値であった。有機分子を利用することで、無機物には無い新たな特性の発現を確認した。 研究と並行して、ドイツ・カールスルー工大学から千葉大学へのSTM装置の移動を完了した。鉄ウィスカ単結晶上のマンガン膜を新たな基板として使用する。これを用いることで、弱い外磁場で容易に磁化方向を反転できる。外磁場印加のためのコイル系の設置、また磁性探針の向きを制御するための回転機構の取り付け・改造を行った。
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