研究課題/領域番号 |
22820001
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
亀谷 学 北海道大学, 文学研究科, その他 (00586159)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2011年度: 1,053千円 (直接経費: 810千円、間接経費: 243千円)
2010年度: 1,157千円 (直接経費: 890千円、間接経費: 267千円)
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キーワード | イスラーム史 / パピルス文書 |
研究概要 |
本年度には、主にアラビア語パピルス文書に関する基礎的研究を行った。第一に、既に刊行されているアラビア語パピルス文書のカタログから、公的文書に関するデータを集めて整理し、その形式に関する分析を行った。現在までに明らかになっているのは以下の二点である。第一に、初期イスラーム時代のアラビア語パピルス文書の宛名部分の書式については、公的な文書に関しては一定の書式が保たれ、ホラーサーンで作成された文書や年代記等に残された文書の書式と類似するということである。第二に、初期のアラビア語パピルス文書には人物名などに付される祈願文がほとんど見られず、それが年代を判断するてがかりになりうるということである。 またエジプトのアレキサンドリア図書館およびドイツのハイデルベルク大学パピルス学研究所において調査を行った。アレキサンドリア図書館においては、ウィーン国立図書館をはじめとするパピルスコレクションのマイクロフィルムを閲覧、複製した。また、ハイデルベルク大学パピルス学研究所においては、未校訂の初期イスラーム時代の行政に関わると思しきアラビア語パピルス文書を実見し、解読を試みた。とりわけ、Heid.Arab.658は、残存している部分は必ずしも多くないが、「信徒の長」からの命令を伝える総督の文書と見られ、カリフから発せられた指示がどのような形で伝達、実行されていたかを窺うことのできる史料である。この文書については、ハイデルベルク大学パピルス学研究所よりデジタルイメージを譲り受け、現在解読を進めている途上である。
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