研究課題/領域番号 |
22820034
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
印度哲学・仏教学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志田 泰盛 京都大学, 次世代研究者育成センター, 助教 (60587591)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,912千円 (直接経費: 2,240千円、間接経費: 672千円)
2011年度: 1,365千円 (直接経費: 1,050千円、間接経費: 315千円)
2010年度: 1,547千円 (直接経費: 1,190千円、間接経費: 357千円)
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キーワード | 聖典解釈学派 / 音声の永遠性 / プラバーカラ派 / プラカラナパンチカー / リジュヴィマラー / リジュ・ヴィマラー |
研究概要 |
音声とは我々の日常的な伝達の媒体であり、また、聖典を構成する基本的要素であるが、その音声が一体永遠なのか否かをめぐる問題は、古典インドの哲学における一大論争点を形成している。例えば、音声に限らず一切存在の刹那性を説く仏教の刹那滅論や、聖典を神の著作とみなすニャーヤ学派の神学論など、各学派の根幹的教義と相容れないため、この〈音声の永遠性問題〉という教説をめぐっては多くの学派が論争にコミットした。本研究では音声の永遠性を主張する聖典解釈学派の中から、プラバーカラ派の議論の分析を主な目的とした。このについて、特に同学派の別分派であるバッタ派の論証と比較することで2つの学派間の論証の差異に焦点を当てて分析を進めた。具体的には、シャーリカナータの著作『プラカラナパンチカー』第9章における音声の永遠性論証の箇所を取り上げた。方法論としては、まずは刊本の十分な読解を前提とした上で、関連する思想家との影響関係を網羅的に分析するために、周辺年代の関連資料をデジタル化して検索の速度と精度の向上を図った。また、一方で将来的に原典写本による再校訂を見込んで入手済みの原典写本の校合を進めつつ、インドの各写本図書館において関連文献の写本調査するというように、テキストの電子化、入手済み写本の校合、新写本の調査を3本の柱とした。すでに入手済みであったネパール将来の写本に加えて、聖典解釈学関係の写本を多く保管している南インドの図書館を調査することでマラヤラム文字写本・テルグ文字写本など新写本のデジタルデータの蒐集も行った。その成果の一部は平成23年7月の西日本インド学仏教学会(広島大学)、平成24年1月の第15回国際サンスクリット学会(インド・デリー)などで口頭発表し、『多田孝文先生古稀記念論文集』へも投稿した(近日刊行予定)。
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