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後朱雀朝・後三条朝の歴史叙述と『源氏物語』の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22820064
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分補助金
研究分野 日本文学
研究機関明治大学

研究代表者

高橋 麻織  明治大学, 文学部, 助教 (80588781)

研究期間 (年度) 2010 – 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
2,509千円 (直接経費: 1,930千円、間接経費: 579千円)
2011年度: 1,196千円 (直接経費: 920千円、間接経費: 276千円)
2010年度: 1,313千円 (直接経費: 1,010千円、間接経費: 303千円)
キーワード源氏物語 / 准拠論 / 『源氏物語』 / 史実 / 『河海抄』 / 作者の方法 / 読者の方法 / 歴史物語 / 虚構
研究概要

本研究は、『源氏物語』成立期(1008)以降の史実を媒介として、『源氏物語』の政治世界を解釈し物語意義を考えるものであり、これは、従来の『源氏物語』准拠論から脱却する試みである。これまでの准拠論は、延喜天暦期を中心とした『源氏物語』成立期以前の歴史的事例を『源氏物語』に引き当てて考察されてきた。しかし、『河海抄』が後朱雀朝の史実を挙げるように、『源氏物語』には先例のない出来事が描かれ、成立期から院政期までの間に実現する現象が見出せる。本研究では、『源氏物語』成立期以降の歴史のうち、特に後朱雀朝・後三条朝(1036-1073)を取り上げ、『源氏物語』と物語成立期以降の史実・歴史叙述を比較検討することで、『源氏物語』に描かれる政治や後宮のあり方の解明とその意義考察を行うことを目的とした。
研究成果としては、以下の二点がある。まず、『河海抄』の准拠関係の指摘のうち、『源氏物語』成立期以降の史実をリストアップした。これは、当研究の目的である「後朱雀朝・後三条朝」を含む成立期から院政期までの史実に該当する。これにより、『河海抄』は『源氏物語』の成立を明らかにする一方、『源氏物語』の読解に迫る注釈態度も合わせ持つことがわかった。これにより、従来の准拠論の見方である「作者の方法」から「読者の方法」へと視点を転換させる必要性が見出せる。次に、従来『河海抄』など古注釈研究に収束していたこれらの調査を、歴史物語との関連性を踏まえ『源氏物語』読解へと還元できたことである。具体的には、平安時代の育成儀礼である「産養」について、古注釈の指摘を踏まえつつ、それに『栄花物語』の叙述および、延喜・天暦期から院政期までの史実を広く検証することで『源氏物語』の描く産養の記述には史実からの脱却が見られること、そしてその物語意義に迫ることができた。これは、従来の准拠研究のように『源氏物語』成立期以前までの史実にのみ固執していた場合は結論の出ない問題であり、当研究の目的と方法の重要性が明らかとなった成果の一つである。

報告書

(3件)
  • 2011 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2010 実績報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] 『栄花物語』大鏡における<源氏>の位相-『物語』と創造された「歴史」-2012

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 雑誌名

      <紫式部>と王朝文芸の表現史(高橋亨編,森話社)

      ページ: 107-126

    • 関連する報告書
      2011 研究成果報告書
  • [雑誌論文] 『源氏物語』から歴史物語へ2012

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 雑誌名

      帝の御妻をも過つたぐひ(日向一雅編『源氏物語の礎』)

      ページ: 107-126

    • 関連する報告書
      2011 研究成果報告書
  • [雑誌論文] 『栄花物語』『大鏡』における<源氏>の位相-『源氏物語』と創造された「歴史」-2012

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 雑誌名

      <紫式部>と王朝文芸の表現史(高橋亨編)(森話社)

      ページ: 345-356

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [雑誌論文] 「帝の御妻をも過つたぐひ」-『源氏物語』から歴史物語へ2012

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 雑誌名

      源氏物語の礎(日向一雅編)(青簡社)

      ページ: 107-126

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [雑誌論文] 皇統の行方-匂宮への皇位継承をめぐって-2011

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 雑誌名

      源氏物語(吉村武彦編『交響する古代』)

      ページ: 394-413

    • 関連する報告書
      2011 研究成果報告書
  • [雑誌論文] 『源氏物語』皇統の行方-匂宮への皇位継承をめぐって-2011

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 雑誌名

      交響する古代-東アジアの中の日本

      巻: 1 ページ: 394-413

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [雑誌論文] 『源氏物語』准拠論の成立と展開-冷泉朝における光源氏の政治-2010

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 雑誌名

      Journal of Korean Culture

      巻: 第15号 ページ: 34-57

    • 関連する報告書
      2011 研究成果報告書
  • [雑誌論文] 『源氏物語』准拠論の成立と展開-冷泉朝における光源氏の政治-2010

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 雑誌名

      『Journal of Korean Culture』15

      巻: 15 ページ: 34-57

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 『源氏物語』に描かれる産養の主催者-七日目の天皇主催の産養をめぐって-2011

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 学会等名
      中古文学会平成23年度秋季大会
    • 発表場所
      愛知淑徳大学
    • 年月日
      2011-11-20
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] 『源氏物語』の「虚×実」-「帝の御妻をも過つたぐひ」-2011

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 学会等名
      物語研究会平成23年度大会
    • 発表場所
      京都市京の宿洛兆
    • 年月日
      2011-08-19
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] 『源氏物語』の「虚×実」-「帝の御妻をも過つたぐひ」-2011

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 学会等名
      物語研究会大会
    • 発表場所
      京都市京の宿洛兆
    • 関連する報告書
      2011 研究成果報告書
  • [学会発表] 『源氏物語』に描かれる産養の主催者-七日目の天皇主催の産養をめぐって-2011

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 学会等名
      中古文学会秋季大会
    • 発表場所
      愛知淑徳大学
    • 関連する報告書
      2011 研究成果報告書
  • [学会発表] 『源氏物語』皇統の行方-二人の若宮誕生と王権をめぐって-2010

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 学会等名
      明治大学国際学術研究会「交響する古代」
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2010-11-06
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 『源氏物語』匂宮への皇位継承-相対化される冷泉院-2010

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 学会等名
      古代文学研究会大会
    • 発表場所
      伊勢市千の杜
    • 関連する報告書
      2011 研究成果報告書
  • [学会発表] 『大鏡』における<氏>意識-<安和の変>を起点として-2010

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 学会等名
      国際学術会議
    • 発表場所
      韓国ソウル高麗大学校
    • 関連する報告書
      2011 研究成果報告書
  • [学会発表] 『源氏物語』皇統の行方-二人の若宮誕生と王権をめぐって-2010

    • 著者名/発表者名
      高橋麻織
    • 学会等名
      国際シンポジウム『交響する古代』
    • 発表場所
      明治大学
    • 関連する報告書
      2011 研究成果報告書

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公開日: 2010-08-27   更新日: 2016-04-21  

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