本研究では、異文化・異民族との直接的な交流が制限され、国際社会との結びつきを実感しにくい地域において、国際理解教育をいかに普及させるか、その理論的枠組みと教育実践上の手立てを解明するための基礎的作業として、青森県における国際理解教育の実施状況と課題の把握に取り組んだ。その結果、青森県の地域的特質・課題を踏まえた展開には至っていないこと、それを支える理論的言説やカリキュラム、実践事例なども不足していること、また「国際理解」の意味が外国語教育や国際交流活動などの表層的な次元で理解される傾向にあること等の現状を把握した。
|