・ 発達障害児の日々の行動の特徴の検討について:(1)日々の行動履歴データベースの開発・分析:保護者、教育・心理・医療・福祉・工学の専門家と連携して「保護者と学校と専門家をつなぐICTシステム」のデータベース開発を進めた。また蓄積された日々の行動履歴データベースのチェック項目を国際的な指標、国際分類(ICF-CY)を用いて標準化、コード化をおこなった。さらにデータベースに蓄積されたデータを用いて事例検討会において、保護者、専門家とともに特徴分析を行った。(2)家庭内での日々の生活リズムデータベースの開発:保護者・当事者から承諾を得た研究協力発達障害児者に対し、日々の生活記録を取得しデータベースに蓄積した。 ・ 新しい検査法による生理的特徴(認知・脳機能)の検討について:発達障害児の多くでつまづきのある社会的認知能力に焦点をあて、特に状況の中での感情の理解の能力を測定する認知脳機能課題検査を作成して対象児に実施した。また事例研究として社会的認知能力に困り感のある児童に対し、状況の中での感情の理解を促すソーシャルスキルトレーニングソフトを開発し、「思いやり」を育むためのソーシャルスキルトレーニングを行った。 ・ 大局的行動パターン認知の把握について:発達障害児者の行動の特徴・パターンを日常的に把握している保護者、当事者から導出するために、いかに上手く知識を経営するか、支援に役立てるかという問題について、ナレッジマネジメントモデルを用いた協働的発達障害児者支援システムの提案を行った。具体的にはSECIモデルを用いて保護者・専門家が現実の場として集まる発達障害研究会を週1回(計50回)開催、また仮想的な場としてSNSを運用、実践の場としてソーシャルスキルトレーニング教室を月2回開催し、新たな知識が創造される過程を事例として蓄積、データベース化を行った。
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