研究課題/領域番号 |
22830081
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
四本 裕子 慶應義塾大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (80580927)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,094千円 (直接経費: 2,380千円、間接経費: 714千円)
2011年度: 1,482千円 (直接経費: 1,140千円、間接経費: 342千円)
2010年度: 1,612千円 (直接経費: 1,240千円、間接経費: 372千円)
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キーワード | 知覚学習 / 視覚 / 脳・神経 / 抑制 / 意識 |
研究概要 |
課題の繰り返しにより知覚課題における成績が向上する知覚学習を用い、信号の検出のみならず、刺激の検出を阻害する外的ノイズの排除を学習する際の行動成績の変化の様子と関係する神経機構の変化について、脳機能イメージングによる検証をおこなった。実験では、ランダムドット運動検出の知覚学習課題において、検出を学習する運動方向以外に抑制されるべき運動方向を提示し、課題成績の推移を検証した。被験者を抑制されるべき運動の強度が常に検出閾上である群と、抑制されるべき運動の強度が常に閾値下である群の2群に分け、抑制されるべき運動情報の強度が抑制学習に及ぼす効果を調べた。複数日にわたる知覚学習課題の前後でfmRIによる脳機能計測および閾値測定を行った。学習の結果、学習された運動方向のドット検出閾は減少した。一方、抑制されるべき運動方向のドット検出域は、閾値上提示群では変化しなかったが、閾値下提示群では減少した。つまり、運動情報が少ない群のほうが、感度の上昇を示す結果となった。この結果は、抑制の知覚学習にawarenessが必要であり、情報の抑制は閾値下では学習されないことを示唆している。本研究は、意識と関係のない自動的な現象であるとされる知覚学習において、awarenessが効果を及ぼすことがあることを示すとともに、刺激の強度と学習量が線形の関係ではないことを見いだし、高次認知機能と脳神経機構の再構築の関係についてのモデルを提案した。注意などの高次認知が低次の視覚情報処理に及ぼす効果を定量的かつ定質的に示した本研究結果に基づき、現在、学習による脳神経の可塑性についての更なる研究を進めている。
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