研究協力者 |
永井 聖剛 産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (00415720)
寺本 渉 室蘭工業大学, 情報電子工学系学科, 助教 (30509089)
行場 次朗 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50142899)
SEKULER Allison B. McMaster University, Department of Psychology, Professor
BENNETT Patrick J. McMaster University, Department of Psychology, Professor
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研究概要 |
本研究では,仮現運動刺激の内的な物体表象が,他の物体の視覚的意識を消失させる現象を明らかにした。実験では,仮現運動軌道上に提示される標的刺激の検出が阻害されることを見出した。さらに,この抑制効果は,仮現運動刺激と標的刺激との間の方位情報の差異が大きくなるにつれ減.した。これらの知見から,仮現運動物体表象による抑制効果がパターンの検出という比較的低次の知覚処理段階で生じ,刺激の属性が選択的に維持されることが示唆された。また,仮現運動刺激と共に提示される一過的な音が,抑制効果を強めることも明らかにした。この効果は,仮現運動中に音の周波数が変化する場合には減.した。さらに,音の効果は,仮現運動刺激と標的刺激との間の方位情報の差異によって変容しなかった。以上の結果から,聴覚刺激が時空間的に安定したより強固な仮現運動物体表象の形成に寄与することが示唆された。
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