研究課題/領域番号 |
22840005
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安藤 和也 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30579610)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2011年度: 1,495千円 (直接経費: 1,150千円、間接経費: 345千円)
2010年度: 1,625千円 (直接経費: 1,250千円、間接経費: 375千円)
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キーワード | スピントロニクス / スピン流 / スピンダイナミクス |
研究概要 |
強磁性/常磁性金属接合における磁化ダイナミクスによるスピン流生成「スピンポンピング」の一般原理を開拓した。フェルミ面の分極の符号が逆であるNiとFeの合金系列に注目し、NiFe/Pt接合におけるスピンポンピングを逆スピンホール効果により系統的に調べた。この結果、逆スピンホール効果による起電力はNiとFeで同符号であり、且つ起電力の大きさ、即ち生成されるスピン流量は飽和磁化及び緩和定数により系統的に変化することを見出した。この結果はNiFe/Pt系におけるスピンポンピングにおいて、磁化歳差運動の軌道が本質的であることを示している。本結果を理解するため、LLG方程式に基づく現象論的模型を構築し、NiFe/Pt系におけるスピンポンピングの普遍性を理論・実験両面から明らかにした。またスピンポンピングを用いることで、半導体へのスピン流注入を室温で実現した。強磁性金属/半導体接合における電気的スピン注入の手法は、インピーダンスミスマッチによるスピン流の巨大な損失が問題となる。これまで知られていた唯一の解決法は界面にトンネル障壁を挿入することであるが、良質なトンネルバリアを成長させる困難と、トンネル障壁の存在による電流密度の制限のため、全く異なる物理原理に基づくスピン注入手法が希求されていた。本研究では、強磁性金属/半導体接合において磁化ダイナミクスを用いて半導体中のキャリアにスピン圧を直接与えることで、インピーダンスミスマッチフリーのスピン注入が可能であることを明らかにした。
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