研究課題/領域番号 |
22840013
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橘高 俊一郎 東京大学, 物性研究所, 助教 (80579805)
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研究期間 (年度) |
2010
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2011年度: 1,495千円 (直接経費: 1,150千円、間接経費: 345千円)
2010年度: 1,625千円 (直接経費: 1,250千円、間接経費: 375千円)
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キーワード | ウラン系超伝導体 / 異方的超伝導体 / 超伝導ギャップ / ギャップ異方性 / スピン三重項超伝導 / UPt_3 / 比熱測定 / 角度分解磁場中比熱 |
研究概要 |
本研究課題では、角度分解磁場中比熱測定からウラン系超伝導体のギャップ異方性を検出し、その超伝導対称性を解明することを目的としている。比熱からギャップ異方性を明らかにするためには熱励起による影響を抑えた上で測定を行う必要があり、超伝導転移温度(T_c)の10分の1程度の極低温まで比熱測定を行うことが重要となってくる。しかし、ウラン系超伝導体の多くは比較的低い現(~0.5K)を持っており、それらのギャップ構造の研究にはこれまでに確立していた準断熱法による比熱測定装置(最低到達温度100mK程度)では不十分であった。 そこで本年度は、熱浴との断熱性を比較的悪くした上で比熱を精度良く測定できる新たなセルの開発を行った。試行錯誤の結果、50mK以下の極低温まで比熱を測定することに成功し、ウラン系超伝導体の研究を行う態勢を整えた。 開発したセルを用いて、スピン三重項超伝導体の有力候補であるUPt_3(T_c~0.5K)の角度分解磁場中比熱測定を行った。c軸中心に回転させた磁場中で比熱測定を行った結果、理論予測に反して50mKの低温まで比熱に磁場方位依存性が現れないことが分かった。さらに、a軸中心に回転させた磁場中でも比熱測定を行い、c軸から30度以内の磁場方向でのみ強い対破壊効果が働いていることを突き止めた。これらの結果は日本物理学会にて発表を行った。極低温で比熱測定を行う態勢が整ったため、今後は他のウラン系超伝導体についても角度分解磁場中比熱測定を進めていく予定である。
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