| 研究概要 |
本研究では,低温変成作用および熱水作用によって生成する含水鉱物における遷移金属イオンの酸化数,結晶内分布と水素結合の関係の解明,およびそれらの鉱物における結晶構造と水素固定機構の解明を目指し,多角的な検討を行った.その結果, 1)陽イオン置換が結晶構造に与える影響は,置換しあうイオンの大きさによるだけではなく,同じ配位数の配位席であっても配位席がおかれた幾何学的環境に依存することの解明, 2)パンペリー石と類縁鉱物,および緑簾石の結晶構造の幾何学的関係に関するイオン置換と配位多面体の構造的変化の類似性と相違性という観点からの体系的解明, 3)遷移元素の酸化数変化と水素結合システムの関係の解明, 4)緑簾石族鉱物における放射性元素に起因しない結晶度の低下という新現象の発見,を行った.
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