研究概要 |
本年度は以下の2点を目的に研究を行った. 1.超高繰返し(THz)超短(fs)パルス列を用いた,気相原子・分子からの高次高調波発生(HHG)の実現. 2.100%基底準位占有まで冷却した気相分子の断熱または非断熱配向による空間的に高度に配向した(配向度~1)分子集団の実現. THzに達する超高繰返しフェムト秒パルス列を用いたHHG実験は申請者の知る限りまだ例が無く物理的基礎研究として非常に重要である.また,実用研究としても,将来のHHG光源のCW化につながる実証研究として重要であると考えられる.また,透明な固体材料が存在しない真空紫外域では,伝統的に表面反射などを利用することにより偏光制御や偏光解析が行われてきた.同手法が完成すれば,コヒーレント真空紫外光の偏光制御法が初めて出現し,同コヒーレント光源の有用性は飛躍的に増大する. 上記の圏的に対し,本年度は以下の研究成果を出した. 1.分子からのHHGの角度分布を詳細に測定し,結果から単一分子のHHG角度分布を再構成する手法を新たに開発し,その成果をPhysical Review Letters誌106巻(2011年1月)に投稿し,掲載された. 2.HHGに必要なレーザー強度を得るため,超高繰返し(THz)超短(fs)ハルスレーザーのパルス幅を短縮しなければならない.この目的のため,レーザーの高感度スペクトル位相計測や光周波数標準に安定化された超短パルス列の搬送波位相制御を行い国外・国内学会で成果を報告した.
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