研究概要 |
ケツルアズキ多器官大型化遺伝子(multi-organ gigantism : mog)の単離 mogはγ線照射によって得られた劣性の突然変異遺伝子であるが,その効果は大きく,葉・茎など複数の器官が大型化し,種子サイズは約2倍に増大する. 本年度は,mogをもつ栽培系統BC48に近縁野生種TC2210を3度戻し交配して得られたBC3F2系統1,559個体を用いて連鎖解析を行った.まずリョクトウのゲノムショットガンシーケンス情報と,Vigna/Glycine間のシンテニーを利用してMOG座周辺の領域に9個のSSRマーカーを作製した.マッピング集団におけるこれらのマーカーとmog表現型との連鎖解析を行ったところ,乗換えなしのマーカーが1つ得られた.しかしこのマーカーを用いてケツルアズキゲノムBACライブラリーのスクリーニングを試みたところ,ポジティブなクローンが得られなかったことから,目的の領域がライブラリーに取り込まれていないと考えられた. そこで,ダイズゲノム情報を基に,MOG座周辺のケツルアズキ遺伝子を増幅できるプライマーを設計してPCRとシーケンスを繰り返し,新たに8つのCAPs/dCAPsマーカーを設計した.その結果,候補領域はダイズゲノム上の5つの遺伝子が座乗する,約50kbの領域に相当する領域に絞り込まれた.
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