研究課題/領域番号 |
22890105
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中山 博之 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40581062)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,068千円 (直接経費: 2,360千円、間接経費: 708千円)
2011年度: 1,469千円 (直接経費: 1,130千円、間接経費: 339千円)
2010年度: 1,599千円 (直接経費: 1,230千円、間接経費: 369千円)
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キーワード | カルシウムイオン / イノシトール三リン酸受容体 / 心肥大 / G蛋白質共役受容体 |
研究概要 |
慢性心不全は西欧先進国において死亡原因の第一位を占める予後不良の疾患である。心筋はストレスに対し個々の心筋細胞を肥大させることにより適応するが、過剰な心肥大は心不全を惹起し、その病態形成に重要な役割を果たしていると考えられる。心臓においてカルシウムは心肥大の形成に重要な役割を果たしているが、心肥大を制御するカルシウムの動員のメカニズムは不明である。G蛋白質共役受容体刺激により生成される細胞内セカンドメッセンジャーであるイノシトール三リン酸(以下IP_3)は細胞内カルシウムチャネルであるIP_3受容体からのカルシウム流出を惹起する。本研究では、まず、心筋IP_3受容体からのカルシウム流出増加の心肥大及び心機能に与える影響を、心筋細胞に優位に発現しているとされるII型IP_3受容体の心筋特異的過剰発現マウスモデルを作成により解析した。この過剰発現マウスは、アンジオテンシンIIやカテコラミン受容体刺激等のG蛋白質共役受容体刺激による心肥大を増悪させた。さらに心筋IP_3シグナリング抑制の心肥大に与える影響を明らかにする事を目的に、かかるシグナリングを抑制したマウスモデルを作成し解析した。IP_3シグナリングを抑制したマウスは、G蛋白質共役受容体刺激による心肥大反応が減弱していた。これらの検討より、心筋におけるIP_3シグナリングがG蛋白質共役受容体刺激により惹起される心肥大形成において重要な役割をはたしている事が示された。この結果はIP_3受容体が心肥大やそれに引き続いて起こる心不全の有望な治療標的である可能性を示唆していると考えられる。
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