研究概要 |
本研究の目的は,糖尿病と関連のあるアディポサイトカインであるレジスチンの歯周炎における役割を検討することである。歯肉溝滲出液(GCF)中のレジスチンレベルを調べると,歯周炎患者と糖尿病関連歯周炎患者のレジスチンレベルは健常者に比べて高かった。また, P. gingivalis由来のリポ多糖(P-LPS)はヒト好中球からのレジスチンの遊離を促進し,その遊離促進はアクチンの重合阻害剤によって阻害された。一方で,マクロファージ様に分化させたヒト単球系細胞株U937におけるレジスチン発現は,終末糖化産物(AGEs)とP-LPSによる著明な影響を受けなかった。これらの結果から,レジスチンは歯周病における炎症のモジュレーターである可能性が示唆された。
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