研究課題/領域番号 |
22890131
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
萩原 綱一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00585888)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,561千円 (直接経費: 1,970千円、間接経費: 591千円)
2011年度: 1,157千円 (直接経費: 890千円、間接経費: 267千円)
2010年度: 1,404千円 (直接経費: 1,080千円、間接経費: 324千円)
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キーワード | 体性感覚情報処理 / 二次体性感覚野 / 加齢変化 / 生理的代償機転 / 脳磁図 |
研究概要 |
【目的】一次体性感覚野(S1)の誘発電位(N20)や誘発磁場反応(N20m)は加齢により潜時が延長し、振幅も増大することが知られている。しかしながら、二次体性感覚野(S2)の加齢による変化は知られていない。高次の体性感覚情報処理の研究にあたっての基礎的な研究として、今回S1、S2の誘発磁場応答の加齢変化を検討した。【方法】対象は健常者72名(M/F=36/36、22-69歳)。306Ch全頭型脳磁計を用いて正中神経刺激による誘発磁場を両上肢で記録した。S1(N20m)およびS2反応について頂点潜時、振幅、推定電流源の大きさを測定し、年齢との関係を回帰分析により検討した。また、周波数分析により、S1とS2における神経活動の同期性を検証した。【結果】N20mは加齢とともに有意に振幅が増大し、潜時は延長した。推定電流源の大きさについても有意な相関が認められた。一方、刺激対側半球のS2潜時(70-120ms)は有意に逆相関の傾向が見られた(加齢とともに潜時が短縮した)。刺激同側半球のS2潜時については明らかな年齢変化は認めなかった。振幅と推定電流源の大きさについては両側のS2とも有意な相関は見られなかった。周波数分析の結果では、高齢者においてSlとS2の神経活動の同期性(興奮性)が亢進しており、年齢に依存した皮質脱抑制の傾向がみられた。【考察】S1応答の変化については皮質脱抑制の機序が推察されているが、S2にはS1からの皮質問入力と視床からの直接入力の両者が存在するため、S1とは異なった生理学的代償機転が生じると考えられた。
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