研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、多分化能を有する歯根膜細胞クローンと分化能の著しく低い歯根膜細胞クローンにおける遺伝子発現の差を解析したマイクロアレイデータを検討した結果、semaphorin 3A (Sema3A)およびpunctin (ADAMTSL1)が歯根膜幹細胞機能維持に重要な役割を有していることが示唆された。in vitroにて歯根膜細胞はSema3Aおよびその受容体であるneuropillin-1 (NRP-1)を発現しており、特に未分化な特徴を有する歯根膜細胞クローンである1-11および1-17にてその発現量が高かった。1-11および1-17を用いた石灰化誘導アッセイにおいては分化が進むにつれてSema3Aの発現が減少し、また歯根膜細胞分化誘導に関与する機能を有するTGF-beta刺激によってもその発現が減少した。また、in vivoにてマウス歯胚発生過程でのSema3Aの発現を免疫組織化学的に検討したところ、胎生14.0および15.5日齢の第一臼歯歯胚においてのみ、歯小嚢細胞にその発現が認められた。以上のことから、Sema3Aは未分化な歯根膜細胞に重要な機能を有していることが示唆された。また、ADAMTSL1もin vitroにて1-11および1-17においてその発現が高く、in vivoにてマウス歯根膜組織に限局してその発現が認められた。また、1-11および1-17を用いた石灰化誘導アッセイにおいては分化が進むにつれてADAMTSL1の発現が減少したことから、歯根膜組織の維持に重要な役割を担っていることが示唆された。
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Journal of Periodontal Research
巻: (in press)
Stem Cells Development
Cell and Tissue Research
巻: 342 ページ: 233-242