研究課題/領域番号 |
22890162
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
永田 健一 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50587798)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,146千円 (直接経費: 2,420千円、間接経費: 726千円)
2011年度: 1,508千円 (直接経費: 1,160千円、間接経費: 348千円)
2010年度: 1,638千円 (直接経費: 1,260千円、間接経費: 378千円)
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キーワード | 神経 / 再生 / microRNA / 転写因子 / in situ hybridization |
研究概要 |
microRNAは20塩基程度のnon-coding RNAであり、自らと相補性を持つ数十~数百種類のmRNAと結合して翻訳阻害や分解を引き起こす。本研究では、損傷末梢神経の再生に関与するmicroRNAを同定するため、マウス舌下神経損傷モデルを用いて種々の解析を行った。まず、TaqManアレイやreal time-PCRにより損傷後に発現変動するmicroRNAを網羅的に探索した。探索の結果、複数のmicroRNAが損傷に伴って発現変動することが分かったが、発現が低下したmiR-124に注目しさらに詳細に解析を行うことにした。miR-124は胎生期より神経系特異的に発現し、神経細胞の発生に重要であることが既に報告されている。神経損傷後1日、3日、7日、14日でin situ hybridizationを行った結果、miR-124は神経細胞に発現し、損傷後3日、7日で著しく低下すること、また14日目には若干の減少に留まることが分かった。次に検索エンジンを使ってmiR-124の標的遺伝子をin silicoで探索したところ、転写因子であるKlf6、STAT3が候補遺伝子と判定された。実際、miR-124とは反対に、Klf6、STAT3の発現が損傷後に上昇することはRT-PCR、in situ hybridizationにより確認した。さらに、神経系由来のNeuro2a細胞にmiR-124 mimicを導入すると、Klf6、STAT3ともにタンパクレベルで発現が低下し、これらはin silicoの判定結果を支持していた。以上の結果から、miR-124がキーとなる複数の転写因子の発現を調節することで、神経再生機構に関与している可能性が示唆された。
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