研究課題/領域番号 |
22890194
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
澤田 啓介 帝京大学, 薬学部, 助教 (30582853)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,146千円 (直接経費: 2,420千円、間接経費: 726千円)
2011年度: 1,508千円 (直接経費: 1,160千円、間接経費: 348千円)
2010年度: 1,638千円 (直接経費: 1,260千円、間接経費: 378千円)
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キーワード | トランス脂肪酸 / GLUT4 / トランスロケーション / 脂肪酸組成 |
研究概要 |
本研究の目的は脂肪細胞が脂肪酸組成の変動をどのように感知して、インスリン応答性変化を引き起こすのかを解明することである。平成22年度は脂肪酸の添加により脂肪細胞の機能、インスリンシグナル伝達経路や脂肪酸組成がどのように変化するか検討した。脂肪酸を10μMという低濃度で持続的に添加した場合、トランス脂肪酸であるエライジン酸を添加した脂肪細胞でのみインスリンに応答した脂肪分解抑制作用が減弱していた。しかし、インスリンに応答して発現量が増加する遺伝子FAS、DGATの増加量は脂肪酸非添加の脂肪細胞と差はなかったことから、インスリンの受容体への結合が障害されている可能性は低く、細胞内のシグナル経路が障害されている可能性が考えられた。そこで、インスリンシグナル伝達経路への影響を調べたところ、エライジン酸を添加した脂肪細胞ではIRS-1、Aktのリン酸化の程度は脂肪酸非添加の細胞と差がなく、シグナル経路は障害されていなかった。しかし、GLUT4の細胞膜へのトランスロケーションが障害されていた。さらに脂肪酸組成を調べると、エライジン酸が脂肪細胞に取込まれており、脂肪酸組成は変化していた。脂肪酸組成の変化により小胞輸送が障害されることから、エライジン酸を添加した脂肪細胞での脂肪酸組成の変化がGLUT4のトランスロケーションを障害した可能性が考えられる。以上のことから、エライジン酸を添加した脂肪細胞では脂肪酸組成の変化により、GLUT4のトランスロケーションが障害され、インスリン応答性の低下が引き起こされている可能性が示唆された。
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