終末期がん患者の家族に対するケアの質の向上に資するため、「家族にとっての患者との望ましい療養生活」の構成概念を用いて、5年以内にがんで家族を亡くした遺族を対象とした質問紙調査を実施し、「家族が望む患者との療養生活」が達成されていたかを明らかにした。その結果、対象者のうち、望んでいたことがかなえられなかったものは65%であり、一緒に過ごすことや旅行などで思い出をつくること、患者が希望する療養環境を整えることなどが難しかったと回答するものが多かった。今後は望ましい療養が阻害された要因に関する質的分析を進め、対策を検討していくことが課題である。
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