研究課題/領域番号 |
22890209
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会系歯学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
荒川 勇喜 神奈川歯科大学, 歯学部, 研究員 (50582582)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,717千円 (直接経費: 2,090千円、間接経費: 627千円)
2011年度: 1,417千円 (直接経費: 1,090千円、間接経費: 327千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フッ化物 / 歯周炎 / 歯槽骨 / 炎症 / P.gingivalis / マイクロCT / 骨吸収 / 歯周炎モデルラット |
研究概要 |
フッ化物(F)は、我々の身体にとって必要な元素であり、むし歯予防手段として多くの国で用いられている。近年では水道水にFを添加した地区住民において進行した歯周炎患者が少ないのとの疫学報告もある。本研究では、実験動物ラットに歯周病菌であるP.gingivalis菌液を直接口の中に投与し歯周病を惹起させたモデルを用いて、フッ化物飲用の歯周炎に及ぼす影響を検討した。F飲用は、NaF粉末にて調整したイオン交換水を常時摂取させることによってFを全身的に投与した。我々は、これまでに細胞培養研究より、μMレベルの低濃度Fは上皮細胞の増殖を促進する一方、mMレベルでは抑制することを明らかにしているため、本研究のF濃度はμMレベルに設定した。P.gingivalis投与最終日から28日で屠殺後、顎骨を採取し、歯槽骨吸収状態を評価するためマイクロCT解析およびメチレンブルー染色による形態学的解析を行った。その結果、P.gingivatis投与群は非投与群に比べて、明らかに骨吸収量が増加した。また、P.gingivalisおよびF投与群では、明らかに骨吸収が抑制されたことより、FはP.gingivalisによる歯槽骨吸収を抑制することが示唆された。Fによる歯槽骨吸収抑制のメカニズムを解析すべく、実験的歯周炎モデルラットの歯肉組織よりmRNAを抽出後、炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-α)の遺伝子発現を解析したが、F投与による変化は認められなかった。さらに、細胞培養研究にて歯肉上皮細胞、単球細胞株(U937)の炎症性サイトカイン産生に対するFの効果を明らかにすべく、各細胞をRgingivalis由来のLPSで刺激し、炎症性サイトカイン産生に及ぼすFの影響を解析したが、F投与による変化は認められなかった。来年度は、Fによる歯槽骨吸収抑制のメカニズムを他方面から解析していく予定である。
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