研究概要 |
NKT細胞、MAIT細胞などの非定型リンパ球は、自然免疫と獲得免疫の橋渡しをする細胞として、生理的にも自己免疫病態においても重要である。一方、コリナージックな抗炎症作用は、脾臓における免疫系に直接影響することが知られている。本研究では、NKT細胞、MAIT細胞に対するコリナージックな抗炎症作用が、生理的状態または炎症性腸疾患を含む自己免疫病態においてどのような役割を果たすかについて検討した。T細胞、B細胞、NK細胞、単球においてalpha7ニコチン受容体の発現がみられた。NKT細胞においてもalpha7ニコチン受容体の発現がみられ、とくに発現の高い細胞群も存在した。Alpha galactosylceramideを用いてNKT細胞を刺激すると、肝臓ではNKT細胞上でalpha7ニコチン受容体の発現が上昇した。脾臓では、NKT細胞上での発現が上昇したばかりか、T細胞、NK細胞での発現も上昇した。ニコチンは、Alpha galactosylceramide投与によるTNFalpha,IFNgamma,IL-6の産生には影響を与えなかった。LPS刺激によるin vivoでのサイトカイン産生における、NKT細胞の影響を現在検討中である。
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