研究概要 |
○研究目的 この国の景気がデフレ局面に入り,先行きの光明が見えなくなった今,経済,消費行動の基礎となる経済リテラシーを身に付けさせることは焦眉の急である。生産縮小,雇用の悪化,消費の縮小という負の連鎖が加速しつつある。もはや「東洋の金満国」ではない。身の丈に合わせて,成熟した立ち振る舞いを示すことが重要となった今こそ,21世紀の中葉に活躍する今の子どもたちにとって,必要不可欠となる経済リテラシーを小・中学校7か年の社会科学習で系統的に習得させることに目を向けることは重要である,と考えた。本研究では,小・中学校7か年の社会科学習で育成すべき経済リテラシーを整理・検討し,「経済リテラシーの育成をめざした小・中学校7か年社会科カリキュラム(試案)」を開発する。 ○研究方法 小学校教員2名と中学校教員2名とでチームをつくり,日々の授業実践の中から経済リテラシーを検討する。そのために,平成4年度香川大学教育学部附属高松中学校3年1組在籍40人への追跡調査と,「生活経済テスト」を作成し小・中学生で実施する。それらの結果分析を基礎的資料として,「経済リテラシーの育成をめざした小・中学校7か年社会科カリキュラム(試案)」づくりに迫る。 ○研究成果 1小・中学校7か年の社会科教育で育成すべき経済リテラシーの妥当性が検討できた。 2小学校3・4年用「私たちのくらしをよくするためのちょうさ」,小学校5・6年用「私たちの生活を向上させるための調査」,中学校2年用「よき経済人となるための調査」,中学校3年用「よき経済人となるための調査」問題が作成できた。 3「経済リテラシーの育成をめざした小・中学校7か年社会科カリキュラム(試案)」が作成できた。 4研究成果の一端は,平成22年10月の全国社会科教育学会(同志社大学)で発表し,一定の評価を得た。
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