○研究目的 科学部の研究としてビーチコーミングに取り組み、海岸の観察及び採集してきたものや海のゴミなどから環境問題や歴史について考察し、校内及び校外に発表していく。また、その過程を通して、学力三要素(本校では基礎的な知識や技能=【知識・技能】、思考力・判断力・表現力・その他の能力=【能力】、学習意欲=【態度】とそれぞれ呼び、これらを総合して学力三要素と呼ぶことにした。)をバランス良く育てることを目的とする。 ○研究方法 科学部の活動の中で専門家を招き、「ビーチコーミングとは何か。取り組む上での視点」についての講演会を行い、その後はフィールドワークとして定期的にビーチコーミングに取り組んだ。海岸での収集物を持ち帰り、存在した歴史的・物理的な背景について考察した。 ○研究成果 先ず初めに専門家による講演を行った。砂浜には色々なもの(鎌倉の海岸では、動植物の死骸・貝殻、鎌倉時代と思われる馬の歯や、かわらけと呼ばれる陶器のかけら。また、明治・大正・昭和の時代に使われていたガラス瓶・おもちゃ。海外の文字の書かれた漁具やプラスチック。ゴミ。その他いろいろ。)を見つけることができると知り、生徒たちに基礎知識が加わり意欲も高まった。 その後、フィールドワークに取り組み、講演で聞いたものを実際に採集することができた。生徒はフィールドワークを重ねるごとに、始める前に比べて砂浜を見る目が変わっていき、採集物を見つける視点も多くなってきた。また、採集したものがどのような歴史的・物理的な背景があるのかを考察することができた。定期的にフィールドワークを行うことにより、季節による漂着物や採集物の違い、ゴミなどによる環境問題についても感じることができた。 採集物については、校内での行事において展示・発表することができた。参加者は、身近に海がありながら、そのような漂着物や採集物があるということを知らない人が多く、興味・関心をとても多くもってもらえた。 研究を通して、海岸の漂着物や採集物には今までに気づかなかった事が多くあり、その歴史的・物理的な背景を調べていくことは、とても奥が深く神秘的であった。この過程は生徒にはとても新鮮であり、学力三要素を育てる上でとても良い教材となった。この学習については、一年間ではなく今後も継続していくことでより多くの発見ができそうである。
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