実習で使用する標準試験片の最適な加工法を検討において、加工時間及び加工工程の削減を目的に、レーザー加工機及びシャーリングマシンを用いて、標準試験片の製作し、引張り試験を行った。 1.製作する試験片は、実習で行っている7号試験片(板材)とする。材質及び板厚はSS400 t 4.5とした 2.試験片の加工として、同じロッドで比較を行うため、1枚の鋼板より切削のみ(シャーリングマシン及びフライス盤)・溶断及びフライス盤・レーザー加工の3種類の方法で製作を行った。 ただし溶断では、仕上げ寸法より10mmプラスで材料取りをし、スライス削りで仕上げた。 結果 各加工方法で加工したものを、各20枚用意し試験を行った。引張り強さの各データの最大値と最小値を除き、平均値(下限-上限)を取った結果、以下のようなデータが得られた。 シャー・フライス 456Mpa(下限449-上限461) レーザー 465Mpa(下限468-上限457) 溶断・フライス463Mpa(下限456-上限467) 引張り強さとしては3種類ほぼ同じ結果が得られたが、下降伏点応力に関しては、シャー・フライス及びレーザーで加工したものは、はっきりとグラフには現れなかった。上降伏点応力に関しては、シャー・フライス及びレーザーで加工したものは313Mpa(下限304-上限327)と319Mpa(下限311-上限323)と、ほぼ同じデータが得られたが、溶断・フライスで加工したものは、365Mpa(下限354-上限374)と明らかに高いデータが現れた。これは溶断によって材料に熱を与えている影響と思われる。以上のことからレーザーで加工したものは、標準片としてシャー・フライスで加工したものと遜色の無いものであるといえる。加工時間及び加工工程の削減の点からもレーザー加工は有効であると言える。
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