自動車関連の組み込み技術者の需要が高まる中、本研究ではこれまでに製作したエンジン実習装置を発展させ、オープンソースのUMLを用いたモデルベース開発のための教育教材の構築を目指すことを目的とした。 研究ではまず、モデルベースによる教育教材の基本仕様を検討した。検討した仕様では教育ツールはUMLによる記述からC言語によるソースコードを生成し、コンパイル後にターゲットマイコンへダウンロード出来るものとした。UMLからC言語ソースコードの生成にはUMLの記述をオープンソースであるastahを用いて行い、テンプレートエンジンを用いてC言語へ変換する仕様とした。このソースコードの生成ツールはまだ作成段階である。また、教材の実習装置を発展させ、これまでの燃料噴射制御のみを行う制御から点火時期の制御を付加し、エンジン制御教材としての拡充を図った。また、装置には動力計や圧力計を連結し、制御内容の変更により、エンジンの出力、燃焼室圧力変化、温度など基本的なエンジン特性が計測できるようにした。 この教材により学習者はモデルベースによる制御プログラムの開発からプログラムを実装し実機の制御を行った場合のエンジンの特性試験までを一連の実験として行うことができる。
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