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日本古代における儒教義疏の受容―東アジア教育圏の視点から―

研究課題

研究課題/領域番号 22F22003
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分外国
審査区分 小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
研究機関弘前大学
研究分担者 王孫 涵之  弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (40975380)
研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード義疏 / 儒教 / 東アジア
研究開始時の研究の概要

本研究は東アジア教育圏という視座から、日本古代における儒教義疏の受容と義疏学がもたらした学問への影響を明らかにし、日本古代の学問と東アジア諸国との関係を究明するものである。具体的要点は以下の通りである。
①『令集解』『弘決外典鈔』等の典籍に見られる義疏の引用状況を整理し、儒教義疏が日本の学知の形成にいかに作用したのかを考察する。②大学寮の試験制度・釈奠講書に注目し、経書の古写本や訓点資料を通して、儒教義疏の受容と大学寮の教育との関係を明らかにする。③現存する儒教義疏の種類とその使用方法に着目し、敦煌文献と日本文献の比較を行い、日本における儒教義疏の受容と東アジア教育圏との関係を明らかにする。

研究実績の概要

今年度は、当初の計画通り、『令集解』に引用された儒教義疏を網羅的に収集し、その種類や引用箇所を整理・分析した。その結果、『令集解』「古記」(奈良期の律令注釈書)には、梁・皇侃『礼記疏』(『礼記子本疏義』)、隋・劉炫『尚書述議』『春秋述議』の引用があったことを明らかにした。それによって、『五経正義』が伝来する前に、すでに儒教の義疏は受容されたことがわかった。今後は、「古記」に引用された儒教義疏と飛鳥・奈良期の学問制度との関係について論文にまとめ、公刊する予定である。また、『令集解』のほか、『弘決外典鈔』『中観論疏記』などの日本撰述注釈書に引用された儒教義疏についても、初歩的な調査・収集を行った。
また、唐と日本の教育制度との関係について、現存する博士家関係の古写本を調査し、その書き入れと奥書を分析した。博士家の「証本」の書写文化が唐の科挙制度との関係の一部を解明し、5月に開かれた京都大学人文科学研究所が主催する共同研究班の会議でその研究成果を発表した。
また、義疏と類書の関係を解明するために、中古期の類書、特に敦煌や日本で発見されたものを調査・収集した。その結果、類書から「詩義疏」以外の義疏の引用を見つけることがほぼできなかった。このことから、『令集解』に引用された儒教義疏は類書からの孫引きではないことが分かった。この成果について、11月に早稲田大学で開催された国際会議で発表した。
以上の調査の過程で、六朝隋唐期における義疏の形成・発展について新たな知見を得た。博士論文の一部を補足・修正した上で、「義疏概念の形成と確立」と題する論文にまとめ、12月に出版された『東方学報』に掲載した。
今回、外国人特別研究員の就職に伴い、助成事業は中途終了となるが、日本古代における儒教義疏の受容について、日本に現存する義疏の古写本と日本撰述注釈書との関係を中心に考察を進めていく予定である。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 義疏概念の形成と確立2022

    • 著者名/発表者名
      王孫涵之
    • 雑誌名

      東方学報 = Journal of Oriental studies

      巻: 97 ページ: 1-42

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「証本」にみえる日本の書籍文化――清家の経書「証本」を中心として2022

    • 著者名/発表者名
      王孫涵之
    • 学会等名
      「日本の伝統文化」を問い直す(京都大学人文科学研究所共同研究)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 「詩義疏」考――『毛詩草木鳥獣虫魚疏』との関係を中心として2022

    • 著者名/発表者名
      王孫涵之
    • 学会等名
      第三回 中日古典学ワークショップ(早稲田大学総合研究機構日本古典籍研究所)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-03-26  

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